カンダ神保町。古書店街。

今週のお題「好きな街」

学生時代の記憶。そしてそのときのデジャヴ。
幼少の頃から本が好きだった。


長じて女子大生となり、神田神保町三省堂ウラ界隈をぶらり歩く毎日。
そのとき突然襲った感覚。

「あれ?私は昔予想したとおりに本に囲まれた街で暮らしている!」

田舎モノの私は小学生のとき、親に連れられて東京見物。
大手町からてくてく日比谷、そして神田、秋葉原あちこち歩き回った。

またここに来る気がしていた。


ラジオで聞いていた椎名誠の「さらば国分寺書店のオババ」で古本のことを面白そうだと思い、
高校時代にはカレシの家にあった「せどり男爵数奇譚」を読んでせどりで暮らしている人のことを不思議に思った・・・

新品書店でしか本を買わなかった私は、そんな世界があることをきくとはなしに知って行き、



志望校に合格して上京してみれば



私の本の世界のすべてが実現していた。当時女子は少ない街だったが、私には居心地が良い町だった。
「さぼうる」という喫茶店があり、午前中文字通り眠くて授業をさぼってここで居眠りしてしまったり。

岩波ホール近くのスーパーでお菓子を買い込んで教室で友達と談笑。

火事で消失してしまう前の老舗の蕎麦屋にもけっこう通った。
「大晦日に年越しそばでTV局に中継」されるあの蕎麦屋である。



洋書専門店には、英語の専門店のほかに中国の本を専門に扱っている本屋も
自分には珍しく、
「やっぱ、高いわ!」
価格をみては唸っていた。
芳賀書店」というお店があったが、ふと店内に入ったら、お店の人に
「女子は遠慮してくれないか?」

と入店を止められたり。


本屋のなにもかもがまだ無事だった時代。


いま、どれだけの数の本屋がシャッターを閉じているのだろう。